糖尿病の種類・診断と当院での治療

1. 糖尿病の種類

1型糖尿病は、インスリンを生成する膵臓の細胞が機能を失う、あるいはその機能が低下する病気です。子供や若者に多く見られ、原因はまだ完全には解明されていませんが、自己免疫反応が関与していると考えられています。1型糖尿病には、突然に症状が現れる劇症型と、徐々に症状が進行する緩徐進行型の二つのパターンがあります。

2型糖尿病は、不健康な生活習慣によりインスリンの作用が低下したり、その分泌量が少なくなったりする病気です。膵臓自体の機能は正常であり、日本の糖尿病患者の大部分を占めています。生活習慣の改善によりこの病気の進行は防ぐことが可能です。

3つ目の糖尿病として、その他の糖尿病には、心臓や肝臓の機能不全や体の炎症状態などにより血糖値が上昇するケースもあります。これらは体全体の状態を考慮し、その上で対応策を決定することが重要で、主に重篤な急性病態や入院患者に見られます。この中には、肝硬変を持つ患者も含まれており、単なる糖尿病とは異なり、急激な低血糖にも注意しながら慎重な管理が求められます。

2. 糖尿病の診断と治療

糖尿病であることが確認された場合、まずその病型を採血や採尿によって特定します。その後、患者様ご自身がその事実を受け入れ、治療を始めることが大切です。糖尿病の治療といえばすぐに薬物療法が思い浮かぶかもしれませんが、食事、運動、睡眠などが密接に関わっています。そのため、すぐに薬物療法が必要な方もいれば、運動や食事療法を中心にする方もいます。食事療法や運動療法は非常に多岐にわたり、どのような運動を行うべきか、または避けるべきかは、その方が持つ他の病気や科学的な証拠と臨床医の経験に基づいて決定されます。これらは単に糖質を控える、体重を減らすといった単純な方法ではありません。また、医師自身も、過去の治療成績を蓄積し、自身の治療法を振り返り、改善していく必要があります。エビデンス(研究や論文によって示されている根拠)やガイドラインも時代と共に変わるため、私たち医師と患者様が一定の治療をひたすら繰り返すだけではなく、病気と真剣に向き合い、より長く健康な生活を送るために共に戦う必要があります。

3. 糖尿病の当院での取り組み

当院では、運動や食事療法、そして薬物療法がなぜ必要で、なぜそれに努力を払わなければならないのかという理由を患者様と共有し、一緒に頑張って参ります。
外来で運動や食事をうまく続けられなかった時には、その旨を躊躇せずお伝えください。一人一人の生活スタイルに合わせ、少しでも良い状態に向かえるようサポートいたします。