胃カメラ検査(上部消化管内視鏡)

胃カメラ検査再開についてのご案内

2020年、当院では前院長が高齢となり、内視鏡検査を一時休止する判断を下しました。その選択の結果として、皆様には一時的に当院における内視鏡検査の提供を停止するというご迷惑をお掛けしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

2023年の9月、当院は内視鏡検査の再開を予定しています。この再開にあたり、日本消化器内視鏡学会専門医の井出野奈緒美医師とともに歩みを進めることとなりました。

AI_内視鏡_胃カメラ_富士フィルムCADEYE

検査再開においては、より先進的な技術を導入し、専門医の人間の目による診断とともにAI(人工知能)による診断を導入しております。AIの能力を最大限に活用することで、我々は診断漏れを可能な限り防ぎ、より安心できる検査体験を提供することが可能となります。

AIは感情に影響されず、広範な情報から必要なデータを取り出し、分析することが可能です。この冷静で広範囲の視野を、専門医の深い知識と経験と組み合わせることで、我々は総合的で精密な診断を行うことができます。このシステムの導入は、診断の正確性向上に大いに寄与すると考えております。また、これが患者様にしっかりと寄与できているかを、当院はデータを振り返り解析してまいります。他ページ、オプトアウトを参照していただけましたら幸いです。ご協力何卒宜しくお願い致します。

※当クリニックでは、富士フイルム社の内視鏡AI診断支援技術を導入します。参考:富士フイルムの内視鏡技術について

また、検査中の不快感を軽減するためには、適切な鎮静が必要不可欠です。そこで当院では、麻酔科専門医による高度な麻酔技術を提供します。麻酔薬の反応は個々の体質によって異なり、常にベストな鎮静を再現できるとは限りませんが、検査中は麻酔科専門医が管理し、我々は安全性と鎮静効果のバランスを最優先に、最良の麻酔法を選択して参ります。

特に、過去の検査経験による不安や疼痛経験により必要な胃カメラ検査を受けることができないなど、完全な無痛が必要な方々に対しては、当院では麻酔科専門医による全身麻酔を併用した胃カメラ検査を施行可能です。全身麻酔により、検査中の記憶は全く残らないので、不快な思い出を抱えることなく、安心して検査を受けられます。必要な方に限られますが、ご相談ください。全身麻酔は全静脈麻酔という、安全性が確立された方法を使用します。麻酔が終わった後は、通常の内視鏡検査と同じように、自然に覚醒します。

我々は、患者様一人ひとりの状況に合わせた最適な検査を提供することを心がけています。内視鏡検査を必要とされる方々に対して、新しい診断技術と麻酔方法の導入により、さらなる安心と満足を提供できることを嬉しく思います。今後とも患者様の健康と安心を第一に、より良い医療を提供できますよう邁進してまいります。

胃カメラ検査の際の鎮静、全身麻酔に関して(検査が辛いと思われる方へ)

当院では上部消化管内視鏡検査において、麻酔科医指示のもとでの鎮静により、高度な鎮静、および麻酔を行います。

私はこの鎮静において、患者様の何が辛いのかをまず知る必要があるため、私自身が麻酔なしで上部消化管内視鏡検査を行いました。この際に上部消化管内視鏡検査において、何が辛いのかを体感し、これを打ち消す鎮静を考慮しております。

お口の中やのどのうがいの麻酔が辛かった方、胃カメラの検査中少しでもつらかった方、当院ではそのような方を中心に検査を受けていただいております。

鎮静とはお薬を注射し眠っていただくことですが、呼吸停止などの副作用で命に係わる症例も報告されております。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/38/7/38_849/_pdf 
楽だから素晴らしいという単純な図式ではありません。しかしながら、私自身が検査をあえて無麻酔で受けてみて、これを鎮静なしで患者様に受けさせるわけにはいかないと感じました。実際には健診などでは、無鎮静での内視鏡が多く行われます。経鼻内視鏡で無鎮静で行うにしても、鼻粘膜損傷や鼻血、または特有の痛みがあるなど、リスクや苦痛がないわけでは決してありません。 

当院では、鎮静薬は個人によって非常に差があり、すべてに完全にうまくいくというわけではありませんが、麻酔科専門医の指導により、一般的に行われている内視鏡の際の鎮静とは異なった薬剤、使用法で行い、うがいを行った後から検査終了まで、まったく意識がない、あるいはうっすらと覚えている程度の状態で苦痛なく検査終了することを目指します。また、万一の際のアレルギーや呼吸停止など、命に係わる状況においては、高い安全性を期することができると考えております。

また、当院では極端に内視鏡の精神的苦痛が高い方におきましては麻酔科専門医による全身麻酔下での内視鏡を行います。前回の内視鏡が大変な恐怖であり、かといって検査が必要であるという事情のある方や、先端恐怖症など、内視鏡検査を受けたいのに受けられない方はご相談ください。

なお、当院では健診検査では従来鎮静は避けるような指示がありましたが、横浜市では医師会の先生方の働きかけにより鎮静が可能となっており、当院では麻酔科専門医の判断により最も安全となる種類、量での鎮静による内視鏡を行わせていただきます。