女性の健康管理

男性も女性もライフステージで性ホルモンが変化し、各々管理するべきポイントがやや違います。このページでは女性健康管理について考えてまいります。

女性は卵巣機能が平均約50歳を中心に大きく低下し、閉経することが多いため、45歳から55歳の間が更年期と定義されます。男性と同様に非常に重要である生活習慣病管理に関しても、女性の管理は男性に比してエストロゲンを中心とした卵巣機能の変化という環境因子があるため、やや複雑です。

私たちはこの難しい時間経過に対して、その時点で急に何かが起こるというよりは、徐々に変化する体調に合わせて、様々な分野の知識を動員して治療、症状の緩和、人生の質の改善に取り組む必要があります。これには一つの分野ではなく、多岐にわたる分野の知識と助けが必要です。

たとえば様々な症状のうち、のぼせ、イライラ、うつなどの症状に対しては基本的には食事習慣、運動習慣を考えますが、食事指導といっても何を重視するかの観点でとるべき食事は変わってきます。お魚を基調にするのか、豆類を大切にするのか、繊維質は何を中心に摂取するのかなど、目的やそれぞれの生活スタイルにより指導は変化させる必要があります。また、中には夜中に胸が苦しくなる、突然お腹の上のほうが痛くなって冷や汗が出る、夜間妙にドキドキするなど、比較的若年の女性に多い微小血管狭心症を中心とした心臓の血管症状が出ることもあります。これらの症状を発見した際には、心臓の弁膜症や動脈硬化からくる労作性狭心症などをはじめとする器質的な疾患を丁寧に除外した上で、運動、食事指導、また漢方やプラセンタなどできめ細かく対応します。また、同時に婦人科疾患の除外や時にはホルモン療法などの応援も必要な場合も多く、それぞれの科の先生方との連携が大切になることもあります。これらの疾患は慢性的な頭痛などとも複雑に絡み合っており、治療に苦労することもありますが、エビデンスといって、実際の数多くの患者さんの治療結果の資料に基づきながら、投薬や方針を決定してまいります。私たちは内科医ですので、これらの女性の医療に関しても広く柔軟な視点を持ち、中心的な役割を担うべきであると考えております。

また食事、運動のコントロールにおいては様々な分野の学問があり、ひとりひとりの生活環境に応じた指導が大切です。各自治体が実施している健診で、高血圧など、医療機関受診を推奨されている場合はきちんと受診しましょう。
がん検診 -横浜市
特定健康診査実施機関一覧 -横浜市

小さなシグナルが大きな改善につながるからこそ、年齢によって毎年の健診が指定されております。健診を行い異常があった場合は、きちんと医療機関を受診されることが、より良い健康につながります。

 それぞれお一人ずつ、お仕事やご家庭に忙しい中ではありますが、健康は大切です。すべてが簡単に万全になるというわけではありませんが、一歩ずつ能動的な健康を目指す手助けができましたら幸いです。診断がつかずに困っている場合でも、科が違うことで対処法が見つかる場合もあります。ぜひご相談ください。